マネージャーのお仕事10[終]
●マネージャーのお仕事01
●マネージャーのお仕事02
●マネージャーのお仕事03
●マネージャーのお仕事04
●マネージャーのお仕事05
●マネージャーのお仕事06
●マネージャーのお仕事07
●マネージャーのお仕事08
●マネージャーのお仕事08.5
●マネージャーのお仕事09
これまで毎週木曜日、３か月に渡ってつらつらと書き続けてきた「マネージャーのお仕事」ですが、遂に今週が最終回。しかし予告もなく金曜日に、しかも更新時間が日付を跨いで既に土曜日になっているという超おもしろカッコいい事になっていますが、その辺りは華麗にスルーして頂ければ助かります。
最後はチームマネージャーのお仕事として試合（ホームゲーム）開催日の一日の仕事の流れについて書こうと思います。
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≪後篇：とある初夏の試合日（ホーム・デーゲーム）の場合≫
ホームゲームの開催日、チームは通常試合開始の４時間前に球場ベンチ前で全体ミーティングを行い、そこから試合前練習に入ります。が、それに先駆けて多くの選手が打撃練習やランニングなどの早出練習を行っています。
ランニングだけであれば選手が勝手に外野のアンツーカー部分を走っているだけなので特に準備は必要ないのですが、打撃練習であれば当然練習に使うボールが必要。その必要な道具を球場に持っていく為、マネージャーの球場到着はだいたい試合開始の5時間30分前になるでしょうか。
移動の起点は球団事務所のある富山市になるので、試合会場が小矢部や黒部といった比較的富山市から離れた場所になるとそれなりの時間に始動しないと間に合いません。が、この日の試合会場は富山市内の球場。そういう意味では比較的楽でした。
球場に着くとまずは球場の方に挨拶をして荷物を降ろし、練習の準備。その後、試合に向けて球場内外の設営作業を行います。内外野のフェンスにスポンサー企業様のバナーを貼ったり、通路にゴミ袋を設置したり、球場外にテント・看板を立てたり。ちなみにこれは選手やサポートスタッフがほぼ総出で行います。
NPB球団であれば球団が業務委託したイベント会社のアルバイトさんが行う作業ですが、独立リーグ（一概には言えませんが、少なくともサンダーバーズ）は全員で準備して全員で片づけをする。これが基本です。
全体ミーティングからビジター球団の打撃練習終了までのマネージャーの動きはビジターゲームの時とほぼ同じ。ホームゲームならではの作業としては、ビジター球団のバスが球場に到着した際にバスの停車位置と駐車場を案内する事くらいでしょうか。（対戦相手がその球場で既に試合を行ったことがある球団の場合、案内する必要も特に無し）
打撃練習終了後、グラウンド内で両チームがシートノックを行っている裏でその日の試合のメンバー表を交換。メンバー表をコピーしてビジター球団、審判、メディアなどの関係者に配布し、スコアボードに表示する選手の登録を行います。
スコアボードのシステムは球場によって異なり、作業にかかる時間も球場によって異なるのですが、ここでの登録内容に不備があるとスタメン発表時にアナウンスとスコアボードの表示が違うというおかしな事になるので、細心の注意を払いながら登録作業を行います。
ちなみに最新式のスコアボードの方が新しいシステムを実装している分、登録作業が楽！…というわけではなく、実は比較的昔からある球場の古いままのシステムの方が登録作業が楽だったりします。理由は敢えて伏せますが、スコアボードに表示されている内容を比較して頂ければなんとなく分かるかなと。
そうこうしているうちに試合開始。試合中の動きについても、基本的にはビジターゲームとほぼ同様ですが、3回表終了後にグラウンド上で「富山クリーンプロジェクト」のバナーを掲示したり、選手がホームランを打てばスタンドに投げ込む用のライティーぬいぐるみを準備したり、イニング間にイベントがあればその準備や片づけを手伝ったり、グラウンド整備や散水を手伝ったりと、やはりホーム側ならではの作業はあります。
そういえばその日の試合で使う試合球の管理もホーム球団のマネージャーが行っています。試合球は予め５ダース+予備の１ダース程準備して試合に臨むのですが、例えば常設のフェンスの背が低く、簡単に球場外に打球が飛び出てしまう球場であったり、グラウンドコンディションが悪く、雨や泥でボールがすぐに汚くなってしまったりといった事が重なると、試合前にボールボーイに預けた５ダースはあっという間に無くなってしまいます。
その為、実は試合中のマネージャーは試合展開はもちろんですが、「ボールボーイの足元にあと何球くらい綺麗なボールが残っているか」についても常時気にしながらベンチ内でスコアブックをつけています。
イニング間、ボールボーイに「ボール大丈夫？」と聞いた時に「ヤバいです」と返ってきたら、予め用意していた幻の６ダース目を出すのですが、これが７ダース目８ダース目となると準備をはじめ色々と大変です。ちなみに約1500円/球です。ご参考までに。
NPBでも独立リーグでもおそらくMLBでも同じですが、少しでもボールが汚れると新しいものに交換したがる投手・捕手がいます。気持ちよくプレーするため、高いパフォーマンスを発揮するためしょうがない部分もあるのですが、ボールを管理している側からすると、多少ボールが汚れていても構わず使ってくれる投手・捕手の方が好感度？が若干高くなる事もまぁあるのかなと。人間だもの。
試合後…勝った試合の試合後は取り急ぎヒーローインタビューの準備です。その試合のヒーローは（去年については）吉岡監督が決めていたのですが、この日の試合はサヨナラ勝ちだった為、文句なしでサヨナラ打を打った選手がヒーローでした。福井ミラクルエレファンツの藤岡投手にやたらと強いあの選手です。
ヒーローインタビュー終了後は、選手を球場出口でのお見送りに送り出し、グラウンド内で行われる監督・ヒーローの囲み取材対応。その後再度全体ミーティング（反省会）を行い、バナー片付け、掃除、道具の片付けと、速やかに撤収準備です。
監督コーチ選手全員が球場を出たのを確認した後、ホームビジター球団関係なく、球場内でその日使用した全ての部屋を回り、忘れ物を確認。球場の方に挨拶をしてようやく球場を後にします。
しかしこのまま直帰…とはいかず、球団事務所に一度戻り、翌日の準備をして、急ぎの残作業が無ければ晴れてその日一日の仕事が終わります。
・・・とまぁ、試合日（ホーム）の一日はだいたいこんな感じでしょうか。
さて、これまで11週にわたりマネージャーのお仕事（途中から「元マネージャー」になりましたが）を紹介させて頂きました。あくまで昨年のサンダーバーズのマネージャーのお仕事紹介で、かつ文章構成力の無さから散文的になってしまった部分も多々ありますが、どんな仕事をしているかについて、多少なりとも知っていただく事が出来れば幸いです。
もうゴールしていいですよね、ゴール！
One More Thing…最後に、このブログを読んで頂いた皆様に対してだけ特別に、後日発表する、富山GRNサンダーバーズの新ユニフォーム…のモザイク画を紹介します。
ここから4.11の開幕に向けて、公式戦の試合日程、キャッチフレーズロゴ、新ユニフォームの全貌、新グッズなどの新情報が毎日のようにリーグや球団から発表されると思います。期待してお待ちください。
スタッフ 岡