マネージャーのお仕事09
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●マネージャーのお仕事08.5
先週、「第8.5回目」として予定を変更して富山市立東部中学校の教壇に立った話をしましたが、今週は予定通り、チームマネージャーのお仕事として試合（ビジター）開催日の一日の仕事の流れについて書こうと思います。例によって長いですので、お時間のある時にでも。
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≪中篇：とある真夏の試合日（ビジター・対福井ME・ナイター）の場合≫
ナイターの試合日の動き出しについてですが、当然デーゲームの日と比べると遅いです。目安としては、試合開始時間の3時間前にビジター球場にチームバスが到着する事を目指して動くため、そこを起点に移動時間を逆算してチームの集合時間、マネージャーの始動時間が決まります。この日の試合開始時間は18:00、マネージャー始動時間は10:00頃だったでしょうか。
球団事務所への出勤後ですが、練習日同様クーラーボックスに氷を詰めながら、とりあえずチームバスの到着を待ちます。（移動に使うチームバスは新富観光様、富山地鉄様にお願いしています）
さて、早速話が脱線しますが、独立リーグの選手たちのビジター移動について話す上で避けては通れないのが「移動手段」です。
独立リーグの選手たちの移動は全てバスを使用します。去年のサンダーバーズで言えば、オリックスとの試合で神戸に行ったのもバスですし、東北楽天との試合で仙台に行ったのもバス（日帰り）でした。こう書くと「独立リーグの選手たちは大変だなぁ」と言われることもありますが、客観的に見ると富山はまだそこまで大変な部類には入っていません。何故ならBCリーグの活動エリアにおいて、富山は８球団８県のほぼ真ん中に位置しているから。全球団が自県より東に位置している福井ミラクルエレファンツや、独立CSの試合のため群馬から徳島までどんぶらこと大遠征した昨年の群馬ダイヤモンドペガサスほどではありません。
ちなみにニック選手に聞いても「アメリカじゃもっと大変だった」と言っていましたし、NPBでも福岡ソフトバンク三軍の選手の移動は基本的にはバスです（韓国遠征などは除く）。
独立リーグの選手たちには、NPBの一軍クラスのように飛行機や新幹線で移動できるようになるよう、ハングリー精神を持ち頑張ってもらいたいものですね。（まぁそちらの方の移動も大変な事に変わりはないですが。）
話を戻します。
球団事務所にチームバスが到着すると、バスのトランクにビジター球場に持っていく道具一式を積み込みます。試合前のバッティング練習や試合で使用するボールやはホーム球団が用意するので、持参する道具としてはそれ以外のもの。トレーニング用品、シートノック用ボール、ドリンク類、クーラーボックス、クリーニングあがりのユニフォームあたりでしょうか。ホームゲームと違って、何か忘れ物をした時に車で取りに戻るといった事ができないので、事前の持ち物チェックは念入りです。ロジンバッグやスプレーなどは気がつくと数が減っていたりするので、予備の予備の予備くらいまで常備しています。
球団事務所に集まった富山市内在住の選手たちを乗せ、バス出発！一路福井へ…ではなく、高岡市役所の福岡庁舎を経由します。というのも、県西部に住んでいる選手たちは福岡庁舎からバスに乗るためです。バスの動きとしては石川や福井などで試合がある時は「球団事務所発 高岡経由 ビジター球場行き」、その他の場合は「高岡発 球団事務所経由 ビジター球場行き」になるわけです。
福岡庁舎で監督コーチ選手トレーナー全員をバスに乗せると、あらためて一路福井へ。バスの車内は基本的に静まり返っています。まぁ遠足ではないのでワイワイされても困るのですが、バス車内での選手を大別すると、音楽を聴いている選手、パズドラ等をしている選手、本を読んでいる選手、寝ている選手に分けられるでしょうか。他球団はどうか知りませんが、サンダーバーズについて言えば車内でDVDを観たりといったことはしていません。
そんなバスの車内ですが、マネージャーの指定席はここ。
運転手…ではなく、その横の補助席ですね。お尻痛いですね。でも年間指定席なんですね。途中停車するサービスエリアの指示や、球場に到着した時のバスの停車位置の指示などがあるので自ずとこの位置になるのですが、当然寝れません。道中長いのでノートPCを開いて仕事をしたり本を読んだり音楽を聴いたりはしていますが。
バスに揺られて３〜４時間。ビジター球場に到着すると、マネージャーは真っ先にバスを降りてビジター球団用の控室（監督コーチ室）に行き、ホーム球団の関係者にご挨拶。そして試合開始までのタイムスケジュールを再確認します。球場内への荷物の運び込みは選手にお任せです。そしてドリンク類やランドリー袋をベンチ裏通路にセッティングして、ベンチ前での練習前全体ミーティングへ。
ミーティング後は、控室でその日の試合のスタ―ティングオーダーをオーダー用紙に記入します。一筆奏上！という程仰々しいものではありませんが、ここで記入間違いをしてしまうとスタメン発表時にどえらい事になるので、非常に神経を使います。具体的には守備番号を書くあたり。スタメン発表時に「キャッチャー、ニック」などとアナウンスされた場合、100％マネージャーのミスです。
そこからサンダーバーズのフリー打撃が終わるまでの時間は差し当たって急ぎの仕事はないので、普段であればフリー打撃の球拾いや内野ノックの送球の捕球役として一塁に入るのですが…この日はまさかのイレギュラーな事態が発生していました。
ある選手の体調不良。
球場の事務所で最寄りの病院を確認し、監督コーチに状況を説明した後、病院に向かったのですが、移動手段はタクシー…ではなく、富山からの移動に使ったバス。まぁタクシー使うと別途お金がかかるし目の前にバスがあるし…という極めてシンプルな理由なのですが、バスの運転手に事情を説明し、急患の選手を連れてバスで病院へ。
ただ診察まで付きっきりになると肝心の試合の進行に支障が出るので、帰りはタクシーで帰ってくるよう指示を出して選手を病院に残し、マネージャーは球場にとんぼ返りです。
ちなみに選手の体調不良の原因は日中の暑さによる熱中症でした。この日の試合はナイターとはいえ、練習時間はまだ陽が高く、グラウンドは陽だまり。油断大敵です。
球場に戻ると監督コーチ、トレーナーに状況を報告し、そこからはいつも通りグラウンドでフリー打撃、内野ノックのお手伝い。フリー打撃が終わるとグラウンドではビジター球団、ホーム球団の順にシートノックを行いますが、マネージャーはベンチ裏の審判室でメンバー表の交換を行います。その後、シートノック後にベンチ前で再度行われる全体ミーティングに参加して選手たち同様気を引き締めます。
グラウンド整備や試合前イベントを待っていよいよ試合開始。
試合中はベンチ内で監督の横に立ち、投手の球数をカウントしながらスコアブックを書きます。いつ何時なにがあるか分からないので、試合が終わるまでの約３時間、気は抜けません。私はお淑やかな性格がセールスポイントなので借りてきた猫以上に大人しくしていますが、どういうわけかたまに審判から注意？を受けます。謎ですね。
試合終了後は、ベンチ前でスタンドに向けての挨拶とチーム全体での反省会を行い、速やかに撤収作業に移ります。選手と一緒にベンチ内や廊下、控室の掃除をし、道具をバスに積み込み、ゴミをまとめてホーム球団のスタッフに引き渡します。言うまでもありませんが、「来た時よりも美しく」が基本です。
最後に、使用した全ての部屋を回って忘れ物確認をし、全員バスに乗り込んだ事を確認した上で球場を後にします。そして出発後すぐに翌日以降の予定等について業務連絡。全体ミーティングは試合前にも二度行っていますが、これから試合に臨む選手に対して不必要な情報を与えないという意図もあり、連絡事項の殆どはこのタイミングで行っています。
帰りのバスの車内の様子は行きと同様です。試合の勝敗、内容によって多少空気が違うことはありますが。ちなみに行きと真逆の行路の為、バスはビジター球場発 高岡経由 球団事務所。福井でのビジターゲーム（ナイター）の場合、事務所に到着する頃には1時を回る事も珍しくありません。この日も球団事務所に到着して道具をバスから降ろして用具車に積み替え、選手全員を見送ると1時30分を回っていました。
事務所内で、もう12時間後には行われる次の試合の準備を終えてようやく一日の業務が完了。事務所を出る頃には既に2時。速やかに家に帰って速やかに寝ます。
・・・とまぁ、試合日（ビジター）の一日はだいたいこんな感じでしょうか。
来週はいよいよ後篇「とある真夏の試合日（ホーム）の場合」に続きます。もうちょっと早い時間帯に更新できるようにがんばるぞい。
スタッフ 岡