後期開幕3連戦の課題と手応え
後期開幕3連戦を終えて、1勝2敗の成績であった。
北陸地区全3球団が1勝2敗で終えた為、差がつかなかったことは幸いであったが、前期の反省として挙げた”無駄な四球(四死球)”と試合について考えてみたい。
14日:3=6(被四死球)−3(与四死球)
後期開幕戦は苦しい展開であった。完璧な投球を披露していた百合が6回に突如4失点するが、先頭の萩島選手にストレートの四球を与えてから。7回のメサも簡単に2アウトを取りながらストレートの四球→次打者伊藤選手は直球一本のスイングで2ランHRを被弾。粘り強く結果勝利したから良かったようなものの、“また無駄な四球から”な展開であった。もちろん、8回・9回の攻撃では、逆方向への打球が目立ち、チーム全体で得点する意識の高さが生んだ逆転サヨナラ勝利であったことを付け加えたい。
15日:1=6−5
15日は帯同できなかったが、初回の2HRが大き過ぎる。継いだ菊地の復調と、勝利の為に中継ぎに配置転換された元気が良く投で追加点を許さなかった事が後半の粘りを生んだ。
6回に3点を返した場面も、安打は2。四死球は3である。群馬さんにとっては“無駄な四死球”で富山の反撃を許す形であったことは言うまでもない。
結果敗戦だったものの、大きすぎるビハインドを諦めずに詰め寄ったチームには手応えを感じられる敗戦でもあった。勿論、ローテーションの軸として期待する高塩のコンディションが気になるところではあった。
16日:−7=4−11
球審によってストライクゾーンは少々異なる。公認野球規則に則れば、どなたが球審をしても一定であるはずだが、球審も人間であるし癖もある。先発投手と捕手の初回は当該球審のストライクゾーンを確認しながら組み立てなければならない難しいイニングでもあると言える。この試合に関してはメサの独り相撲と言わざるを得ない。被安打2、四死球7、失策1で7失点であった。5つの四球のカウントは、3ボール−0ストライク、3−2、3−1、3−0、3−0であり、3人には1球もストライクが入らなかった。死球も2つ与えているが、1−1、1−0からである。試合後“ストライクゾーンが”と言っていたようだが、残念ながら初回においてストライクゾーンの言い訳は通用しない(先頭打者から三振も奪っているのだし)。しかしながら、メサは無敵とも思えるピッチングから突如崩れたり、安心して見ることのできない投手ではあるが、それを差し引いて余りある魅力、即ちスピードボールとスライダーのキレがある。期待せずにはいられない投手ではあるのだが、この日はいただけなかった。
四死球差が−11であったにも関わらず3点差で試合を終えたことに関しては、悪いながらも抑えた高塩。恐らく5・6イニングスのテストを兼ねた百合。球威の戻ってきた武蔵の投手陣と諦めないチームの姿勢あってこそ。9回に1点を返した攻撃も逆方向へつなぐ意識が高い攻撃であわやの場面を作ったことは評価に値する。
前期シリーズは、投手陣が好投しても野手陣が。野手陣が点をとっても投手陣が。そんな噛み合わせの悪いシリーズであり、数字だけを見れば、とても借金をしているチームの数字とは思えなかったのも事実だ。
後期は開幕戦で逆転サヨナラ勝利。
スタートダッシュはならなかったが、6月以降表現できるようになった“粘り強く、諦めず”戦うスタイルが定着しつつあるように感じる。
3戦を終えて北陸地区は1勝2敗のゲーム差0。
富山はスタートダッシュ出来なかったが、石川も福井もスタートダッシュ出来なかった。
まだまだ差はなく、3チームの戦力を比較しても、1チームが独走するような展開にはならないだろう。恐らく、優勝争いから脱落するのはケガ人が出たチームになるのではないだろうか。アクシデントの無いシーズンなど無いが、アクシデントをリカバーすることが出来るチームは“チーム力”が高いチームだ。
我々が“無駄な四球”を出さず“粘り強く、諦めない”チームであり続ける限り、優勝争いから脱落することは無いだろう。そんな手応えを感じた開幕3連戦だった。