七條勝志
今回は、非常に残念なお知らせをしなければなりません。
既にご存知の方も多いと思いますが、七條選手が退団致しました。
富山サンダーバーズが加盟所属するBCLは支配下選手登録枠27名、登録選手(ベンチ入り選手)23名、再登録には6日間が必要です。富山サンダーバーズでは、当時、岡野・有澤との選手契約、兼任コーチを含み26名の選手がおり3名が登録外になり、選手たちは一先ず23名に入ること、その先に先発11名(DH・投手含む)の座がある事は言うまでもなく、日々練習と共にチームメイトと23、11の枠を目指してチーム内でも戦っています。
生島のように怪我をしてプレーできない選手は当然登録を外れる他、(※先発投手の日程調整に伴う登録外は除き)、調子を落とした選手、リフレッシュが必要な選手、そして、奮起を促す為に登録を外すケースがあります。
選手契約をした全ての選手はチームにとって戦力であり、NPBやMLBにステップアップできる可能性を秘めた選手です。もちろん、一人として不要な選手などいません。
富山サンダーバーズでは、ある反省から“チームあっての選手”であることを強く意識し選手獲得の一つの基準にしてきました。
また、監督・コーチもBCL、富山サンダーバーズが野球をさせていただける意味を理解し、指導面でも“野球人である前に社会人”であることを念頭に、粘り強く指導をしてくれています。
今回、七條選手を登録外としたのは“奮起を促す為”の措置でした。七條選手は在籍3年目の“進藤塾一期生”であり、内野を引っ張らなければならない存在です。声も出る、練習も一生懸命する。恐らく、登録を外さずに使い続けていれば、それなりに安定したプレーや数字を残してくれたと思います。
しかし、七條選手に求めているプレーや数字。七條選手がNPBやMLBに行く為に求めなければならないプレーや数字は、チームの勝利衣貢献する為のプレーや数字は、もう1ステップ上にあるはずだと思いました。
そして、昨年まで感じていたギラギラした向上心や野心が薄れているようにも感じていました。
5月2日に登録を外した理由を説明し、奮起して今以上に素晴らしいプレーヤーを目指してくれるものと信じていたのですが、5月3日に七條選手が自らが出した結論は期待していたものではありませんでした。
慰留し、GW中に考えが変わるのではと期待もし、選手達も代わる代わる説得してくれたようですが、決意は固く退団の運びとなってしまいました。
七條勝志の良い所は“決めたらとことん”です。少しでも上手くなりたいから一生懸命練習する。試合もする。だから、人間としてもプレーヤーとしても期待した選手です。
しかし、七條勝志が深慮を重ねて出した結論であれば、とても残念ですが受け入れざるを得ません。
選手達は、昨日も今日も23と11の枠を目指して練習しています。
枠を勝ち取り試合に出場し、チームが勝利する為に練習しています。
“チームあっての選手”であると信じていた選手がいなくなる事は寂しくもあり悔しくもありますが、今この時も立山球場で泥まみれになりながら練習する選手達は、チームの勝利の為に汗を流し努力する選手達です。
選手達に動揺が無かったはずはありません。
しかし、チームは“チームの勝利”の為に前へ進まなければなりません。
選手達には仲間が去る事への悲しみに暮れるのではなく、1枠チャンスが広がったと考えて欲しい。七條勝志の枠を競い争い奪い取って欲しい。そこにパワーが生まれ、また一つチームの勝利へ近づくのだから。
七條
お前にありがとうと言うつもりはない。
シーズン序盤の大事な時期に出した結論の影響や重さを考え、感じて欲しい。
それが七條勝志がこれからも人間として成長し続ける為に必要だから。
でも、これからの七條の第二の人生を応援しているし、手伝えることがあれば何でも言って欲しい。
でもな、七條。お前がいなくても俺達は勝つぞ。
お前が諦めた野球で、お前や先達が築いた土台の上に立って俺達は勝つぞ。
今この時も泥まみれで練習する選手達はチームの為に練習している。だから勝つぞ。
七條勝志の第二の人生に幸運が訪れる事を。
第二の人生も七條らしく精一杯とことん頑張れ。
球団代表 味方 健二郎