プロフィール

富山サンダーバーズのスタッフが、チームからのお知らせ、イベント報告などを随時更新!

13日の執念と14日の軽さ

新加入選手2人が実力を発揮してくれた3連戦だった。
メリアンは、13日に2塁打、3塁打でヒーローになり、14日の1打席目にもソロ本塁打を放ち、2打席目は勝負をしてもらえない四球だった。
早く日本野球の攻め方に慣れ、学習し、適応する必要があり、この2週間で技術的な修正点も改善の兆しがあり、今後より一層の活躍が期待できる。
カンポスも14日に先発し、失点2、自責点0の好内容。
2塁牽制のタイミングが合わない、ベースカバー等、チームプレーに課題は残すが、合流2週間では致し方ないことであり、今後の練習でいくらでも改善できる。
それらの細かい野球、クイック、牽制、ベースカバー、配球・・・、様々な学習と修正、適応が要求される。
2人に言えることだが、ベースボールから野球への適応が重要になり、それが“ジャパニーズドリーム”を掴む為にも重要な要素になる。

今回入団した2人は驚くほど真面目で、吸収、学習、適応の気持ちがとても強い選手だ。また、積極的に日本語を覚えてチームに溶け込もうとする姿勢、持ち前の明るさでチームの雰囲気を良くしようとしている姿勢、インタビューも嫌な顔一つせず応じる姿勢、メリアンはMLBマイナーで13年プレーしているだけあって、プロ野球選手の鑑であり、メリアンの人間性を尊敬して積極的に学ぼうとするカンポスの姿勢も含め尊敬に値する2人である。
もちろん、練習、仕事の合間に、2人と同じマンションに住み、生活面のケア、練習、試合のケア、良き友人として頑張ってくれている高野の存在があってこそではあるのだが。

特にメリアンと接し、見ていると思うことがある。
“プロ野球選手とは何か“
選手たちは必死になって練習し、試合に臨んでいる。地域貢献もインタビューも野球教室もファンの皆様への対応も、今年のチームに関しては特に注文はない。良くやってくれている。
ただ、“何か“が足りないのだと思う。
その“何か”を突き止め、発信し、表現しなくてはならない。

14日にこんなプレーがあった。
8回表1点差の場面、先頭の近藤に代打拓也。拓也は大陽のバックアップ、ブルペンキャッチャーとして裏方で一生懸命努力している。打撃を期待され、良い場面で代打として起用されることも多いが、未だ安打はない。
その拓也が、不恰好なスイングで喰らいついて四球をもぎ取った。正に“もぎ取った”が正しい表現である執念の四球だった。
代走に上田、打者は西川。
2球送りバントに失敗し、上田が牽制アウト。
結果論かもしれないが、9回に高津投手が控える新潟に対し、ここしか逆転のチャンスはなかった。
試合後の監督コメントにもあったが、信じられないプレーだった。
“西川が送りバント決めていれば問題なかった”
確かに問題はなかっただろう。
しかし、その程度の問題だったのだろうか。
今シーズン、上田は変わった。今までは持っている才能をプレーの軽さで帳消しにしてしまっていたが、今シーズンは“軽さ”が消えたように感じていた。
やっとプロ野球選手になったと感じていたが、果たしてそうだったのだろうか。
この試合、上田は先発ではなかった。それなりに結果を出している選手としては、もしかしたら納得出来ない先発落ちだったのかもしれない。今までのレギュラーとしてのプライドがあったのかもしれない。
しかし、大事なランナーコーチの仕事をしながら、ゲームに集中出来ていたのだろうか。
2イニング目の投手に対し、ランナーコーチをしていた選手が牽制で刺されることをどう思うのか。しかも、あの大事な場面で。
拓也が執念でもぎ取った四球であったから余計に目立ったのかもしれない。
それにしても“軽く”感じてしまった。
プロ野球選手とは、お金を頂戴して野球をさせていただいている選ばれた人間を指す。
そこには、相応の責任があり、言い訳は許されない。
上田のポテンシャルに疑いはない。
上田も自身のポテンシャルに疑いは持っていないと思う。
そうであるならば、何故先発を外されたのか。何故牽制で刺されたのか。考え、自分なりの答えを出して欲しい。
13日の試合には気持ちや執念を感じた。
14日の試合では、一部の選手にしか感じられず、信頼を失ってしまったのかもしれない。
13日のシートノックでの声、ファンの皆様が驚き、感動していた。
そこに何があるのか。声が大きければ良い訳ではない。
軽さ、執念、声、文字にすれば何てことはない。
しかし、そこには伝わる何かがあり、伝わらない何かもある。
13日に出来たことが明日出来ないはずはない。
明後日も出来るし、10月末まで継続出来るはずだ。
厳しく書いたが、上田は必要な選手であり、出来る選手。
チームも上田も何かを発信し表現することでしか信頼は取り戻せない。
このチームなら、上田なら信頼を取り戻せると信じている。

Powered by
Movable Type 3.35