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実力と運

小学校の恩師の言葉を思い出しました。
『調子が悪い時の力が実力』
何事にも調子に乗り易い戒めとして心に刻んでいた言葉ですが、痛いほど実感しています。
2011前期シーズンを振り返る上で、ターニングポイントは5月13日の黒部宮野野球場。ほぼ全員が同じ想いを抱いていただけるはず。
あの試合を境にチームは変わった。準備も姿勢も全てが変わった。あの試合があったからこそ前期優勝を現実的な目標として捉える事が出来た。
その後の成績は皆様ご存知の通り。福井、石川が自滅する中、派手ではないが堅実な繋ぐ野球で勝利を拾って気づけば首位に。今思い返せば、ここが『調子の良い時』であったのだろう。即ち『実力以上の力』が出せた時。
しかし、そんな好調の波に乗っている時でも、石川の南、福井の藤井を打ち崩すことは出来なかった。あの試合さえ獲っていれば、あの1点さえ獲っていれば、あの1点が獲り切れないのが実力であり、エース級を打ち崩せないのも実力であった。
前期最終対信濃GS3連戦。M1が点灯し、今まで意識しなかった優勝の二文字が頭を過ぎることはなかったか。『3試合あれば1試合は勝てるだろうし、福井、石川のどちらかが3連勝することもないだろう。』そんな意識が芽生えなかっただろうか。
私自身、恥ずかしい話だが『何とかなる』と楽観してしまった事は否めない。
そこに信濃GS。好調の波に乗っているチームに対し、硬くなった一面はあるものの調子の波は下降線。そんな時に好調の波に乗るチームと戦わなければならない『運の無さ』もあったかもしれない。そこに南、藤井級の投手陣が揃う信濃を打ち崩すことなど出来るはずもなかった。

5月13日後のチームミーティング『俺たちは6球団で一番弱い』事を認めることから始めたチーム。もしかしたら、好調の波の中で『俺たちは強い』と錯覚したのかもしれない。もしかしたら『3試合でM1なら獲ったも同然』の意識があったのかもしれない。それはチームだけでなく、フロントにも確かにあった。
2011年6月27日現在の実力は、北陸地区で2位、BCリーグで5位。これが実力だ。
成長するには現状を認識することから始めなければならない。
選手たちは一生懸命練習し努力したけれど、6球団で一番弱いチームから、6球団で2番目に弱いチームになっただけ。
2011シーズンの目標は、6球団で一番強いチームになること。
そして、四国ILplusを破り、独立リーグで一番強いチームになること。
道のりは遥か遠く、挫けそうになるかもしれないが、目標を変更するつもりは無い。
チームには、この辛く苦しい想いを忘れないで欲しい。
そして、辛く苦しい時も共に戦ってくださった皆様に、また苦しく辛い想いをさせてしまったことも忘れないで欲しい。

後ろを振り返るのは今日で終わろう。
明日からは、まずは9月末までに北陸地区で一番強いチームになる為に努力しなければならない。
フロントも、チームが勝つためにバックアップする努力をし続けなければならない。
選手、フロントスタッフには、尊敬する元ラグビー日本代表監督 故宿澤広朗氏の言葉を贈りたい
『努力は運を支配する』
俺たちは努力が足りなかった。
努力しているつもりでも、どこかで楽をしていたのかもしれない。
努力を続けた者だけに辿り付ける境地がある。
努力を続けた者だけは運などに左右されることはない。
努力を続けた者だけが栄光を掴み取ることが出来る。
もう一度、原点からやり直そう。
秋に笑う為に。

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