TOP > 小山内 大和〜崖っぷち富山救った初勝利導いた 小山内大和魂完投!!

2008年10月26日掲載

小山内 大和〜崖っぷち富山救った初勝利導いた 小山内大和魂完投!!

富山サンダーバーズが、意地の1勝を挙げた。四国・九州IL王者・香川オリーブガイナーズに敵地で2連敗して迎えた第3戦は、初回に優士(25)の右越え二塁打で2点を先制。2回にも町田一也(22)の三塁適時内野安打などで2点を奪うと、投げては、エース右腕・小山内大和(26)が2失点完投。5−2で快勝した。26日に行われる第4戦で、勢いに乗った雷鳥軍団が逆王手を狙う。

〈昨季4勝4S香川お得意様〉
雷鳥応援席から沸き上がる“大和コール”を、心の底から喜んだ。試合後のヒーローインタビュー。言葉を選びながらも、富山・小山内はきっぱりとした口調で言った。「やっと勝つことができました」試合中は常にポーカーフェースを貫く背番号48。再び起こった万雷の拍手に、端正な顔も思わず崩れた。

「調子は良かったけど、力みで制球が甘くなった」2回までに4点の援護を受けたが、5回まで7安打2失点。最多勝、防御率の2冠王に輝いたリーグ戦中の投球とは、ほど遠かった。それでも、四国IL・愛媛の3年目だった昨年、香川から4勝4セーブを挙げた経験が窮地を救った。

「香川打線は厳しいところを安打にする。甘い球の方がミスってくれる印象があった」独持の感覚で、6回からは大きく割れるカーブを軸とした変化球主体の投球にギアをチェンジ。回の合間には正捕手の廣田嘉明主将(27)と配球を練り直し、勝負どころでは後期開幕前に横田久則コーチ(41)から伝授されたフォークを多投した。11個のアウトを内野ゴロで奪う打たせる投球で2失点完投。

〈抜群のうまみスカウト絶賛〉
阪神・池ノ上格スカウト課長が「投球に抜群のうまみがある。(変化球で)あれだけ打者の軸をぶらせれば、打てるもんじゃない」と、うなる110球の完投劇。17日の第1戦で3失点で負け投手になった悔しさも、地元で晴らした。

エースの快投で1勝を挙げたが、王手をかけられた状況は変わらない。小山内は「まだ1つ勝っただけ。いつでもいけるようにしたい」とフル回転を誓った。この意地がある限り、雷鳥軍団の日本一への戦いは終わらない。

〈神風吹いた!!〉
富山は初回2死二、三塁から優士の右飛を香川の右翼手が目測を誤り、ラッキーな形で2点を先制(記録は右越え2点二塁打)。2点リードの7回1死二塁では藤岡直也(21)がダメ押し右前適時打を放ち、9安打5得点。敵地2試合でわずか4安打に終わった打線が、地元で奮起した。鈴木康友監督(49)「(優士の2点打は)神風が吹いた。(相手の先発は第1戦で敗れた)塚本だと思ってたんですけど、うまく攻略できた」と久々の爆発に笑顔を見せた。

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とやま・いしかわ報知
「スポーツ報知」にて富山、石川に密着したスポーツ記事を掲載中。

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