田中 孝次〜直球さえた!!田中これで15インニング無失点
北陸地区2位の石川ミリオンスターズは、0−0で富山サンダーバーズと引き分け、2位を守った。石川の先発左腕、山下英(23)が緩急をつけてコーナーを突き、8回を4安打無失点。打線はわずか5安打に終わったが、9回にはリリーフの蛇澤敦(28)が3者凡退に仕留めて0封リレー。富山の田中孝次(24)は気迫の投球で、“完封”し、8月12日の群馬戦以来、15イニング連続無失点をマークした。
〈8K126球力投〉
富山・田中は最後の1球に力を込めた。9回2死三塁、カウント2−1。外角のスライダーに相手打者のバットは空を切った。「気持ちで抑えるしかなかった」126球の熱投は報われなかったが、マウンド上で安どの表情を浮かべた。
勝てば、後期開幕以来の2位に浮上、初の貯金生活となる大事な一戦。17日の石川戦で5回1/3を無失点に封じた背番号21が、またも躍動した。チェンジアップなど多彩な変化球で相手の目線をぶれさせると、勝負球は切れのある直球。9回5安打、8奪三振のゼロ封だ。これで、8月12日の群馬戦以来、15回連続無失点。「これまで悪い印象があったけど、今日で吹っ切れた」前期2度のサヨナラ負けを喫した苦手の石川だっただけに、大きな自信をつかんだ。
昨年は守護神として6セーブ。右腕・小園司ら救援陣の駒がそろい、後期から先発を任されたが、不安はない。練習ではエース小山内大和、木谷智朗の2枚看板から調整法を盗み、即実行。「先発に回ってから、生き生きしている」鈴木康友監督(49)が目を丸くする万能ぶりだ。
24日は今季最初で最後となる立山球場での石川戦。4月下旬から公式練習場として使用しているホーム球場だ。「明日にいい形でつなげてよかった」雷鳥軍団の元・守護神の言葉に充実感がにじみ出た。