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2007年10月07日掲載

富山1位守った、首位攻防戦にBC最多8539人

首位・富山サンダーバーズと2位・石川ミリオンスターズの首位攻防戦は、1―1のドローに終わった。リーグ最多となる8539人の観客が訪れる中、富山のエース小園司(25)と石川の都卓磨(28)が、白熱した投手戦を展開。富山は5回1死一、三塁で1番・塚本雄一郎(22)の左前適時打で先制。しかし、石川は9回1死満塁で、2番・山出芳敬(24)の右前適時打で同点に追いついた。

〈サンダーバーズの本拠をグリーンに染め援護石川とドローで1差キープ〉
富山市民球場に大歓声が響き渡った。リーグ最多となる8539人の観客。富山の好プレーが出るたびに、観客は立ち上がって声を上げた。エース、小園は、「こんなに多いお客さんの中で投げるのは初めて。鳥肌が立ちました」と応援を背に受け、力投を見せた。

スタッフ、選手全員の努力が実った。優勝を実現させようと、「アルペン3万人グリーン作戦」を掲げ、3週間前から準備を開始。スタッフが手分けして、企業や労働組合、学校など、130か所を地道に回り、来場を呼びかけた。イベントなどで配ったビラは10万枚。時には選手自ら手渡してアピールした。

その成果は実った。開場の3時間以上も前から行列が出来はじめ、続々と来場。試合が始まっても増え続け、6回終了時にはこれまで最高だった7190人を上回る人数を記録。全員にA2サイズのグリーンボードが配られ、5回の攻撃時にはスタンドが緑一色に染まった。

その観客の熱気に選手たちも応えた。ひじ痛の故障から復帰したばかりの小園は、初回から全力投球。切れのあるスライダーとシュートを駆使し、三振を奪うと力強くガッツポーズ。6回1死三塁ではスクイズを外してピンチを切り抜けると、終盤まで安定した投球でチームを引っ張った。

1点をリードした9回1死一、二塁で、一ゴロが人工芝と土の境目でイレギュラーし、町田一也(21)が痛恨の失策。その直後に同点打を許したが、白熱した好ゲームに富山ナインは胸を張った。鈴木康友監督(48)は、「あの失策は仕方ない。それより選手はよく守って、今までにない好ゲームが出来た。観客と一体となり、初年度のリーグで歴史に残る試合だった」と充実の笑顔。

ゲーム差1をリードし、残り7試合に挑む。「みんなの声援はすごくパワーになった。次もエースらしい投球を見せたい」と小園。県民の応援を後押しを受け、念願の優勝に突き進む。

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とやま・いしかわ報知
「スポーツ報知」にて富山、石川に密着したスポーツ記事を掲載中。

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