町田 一也〜3点三塁打町田
〈観戦した父に活躍の贈り物〉
力の限りバットを振り抜いた。「こんなおいしい場面はない。ありがとうございます」。1点を先制した直後の1回2死満塁。町田はプレッシャーを力に変えた。直球を完ぺきにとらえ右中間に弾き返した。走者一掃の適時三塁打。「フルスイングでいきました」と流れを引き寄せる3点適時打に胸を張った。
16日、長野・上田で行われた信濃戦は2−5で敗戦。その中、4打数3安打と気を吐いたが「富山で打たないとダメ。空気を読まないと」。浪速っ子はホームでの活躍を誓っていた。
父の日の一戦、大阪・高槻市から観戦に訪れていた父・豊一さんと地元ファンの前で大仕事をやってのけた。「打ててうれしいです」笑みがこぼれた。
明るいキャラクターに軽妙なトークで人気は上昇中。そんな一面とは裏腹に、野球への向上心は人一倍強い。中学2年まで右打ちだったが一塁に少しでも近いからと試しに左打席へ。感触がよかったこともありずっと左打ちだったが、「上(プロ)に行くには右でも打てた方がいい」と2週間前から練習を開始。大量リードを奪った2打席目から3打席目は、左腕相手とあって右で打った。遊ゴロ2本と二ゴロに終ったが手応えはあった。
町田だけでなく打線全体が積極的だった。甘い球を逃がさず3回までに11安打8得点。それを支えたのが宮地克彦兼任コーチ(35)だった。前日、5勝1分けと得意の信濃に2点に抑えられた。「たまたま打球が正面にとんだだけ」と激を飛ばし自信をつけた。
石川が敗れて単独首位に復帰。たが、町田は「まだ順位は関係ない。自分たちの野球をするだけです」と力強く言い切った。