野原 祐也〜BC2冠王阪神育成1位「4番・レフト金本さん目指す」
プロ野球のドラフトが30日、都内のホテルで行われ、富山サンダーバーズの野原祐也外野手(23)が育成ドラフトで阪神の1位指名を受けた。昨年、首位打者、本塁打王の2冠王に輝いた“BCリーグの大砲”は「4番・レフトを目指したい。金本選手のような丈夫で、強い選手になりたい」と“金本2世”に名乗りを上げた。
〈内村に続け〉
落ち着かない表情が、一気に満開の笑顔に変わった。午後5時39分。ドラフトを映し出す会場のテレビから自分の名前が流れた瞬間、目をまん丸にした野原が言った。
「何か、あんまり実感がない。ビックリしています」多くのカメラのフラッシュを浴びても、まだ、長年の夢が実現したことが信じられない。
抜群のスイングスピードで、1年目に2冠王に輝き、今季も4番として活躍、チームを優勝に導いたBCリーグ最強の打者。育成からのスタートは昨年、石川ミリオンスターズから楽天に入団した内村賢介内野手(22)と同じだが、目標は限りなく大きい。
〈おかわり君〉
「阪神の『4番・レフト』を目指したい。金本選手のような丈夫で、強い選手になりたい」ときっぱり。国士大4年の春に恥骨結合炎を患い、1年間プレーできなかったこともあった。だが、BCリーグでは2年間、全試合出場。「伝統の巨人・阪神戦をわかせる選手になってほしい」と、富山の鈴木康友監督(49)の期待も大きい。担当の阪神・池之上格スカウト課長からも「打撃センスはもちろん、野球に取り組む姿勢がいい。阪神に新風を吹き込んでもらいたい」と期待される男は、連続フルイニング出場お世界記録を持つアニキを目指す。
マクドナルドに入ると、平気で2000円以上のハンバーガーを平らげるなど、大食漢ぶりでチームメートや富山のファンから「おかわり君」の愛称で親しまれてきた。この日も「気持ち的には、ごはん25杯を食べられるぐらい、うれしい」とおどけたが、会見の最後には「(支配下登録の)最短記録を作るぐらい頑張ります」ときっぱり。さらなる高みを目指し、雷鳥軍団の主砲がNPBの扉をたたく。