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2007年08月20日掲載

野原 祐也〜野原 7日左腕17針大けがも 8回場外11号2ラン

〈今季絶望危機から復活 3冠「20本目指す」〉
試合を決めたのは、やはりキング野原だった。3−4で迎えた8回無死一塁、インコースの速球を迷わずフルスイング。大きな弧を描きながら、ライトスタンドを軽く超え、ボールは場外の森の中に消えた。
「今までの場外弾の数? よくあるので分かりません。色気が出るので、記録は気にしてないのですが」と人なつっこい笑顔を見せた。

大けがからの復活だった。7日に行われた四国アイランドリーグとのオールスター戦で、本塁打を捕球しようとジャンプした際に、左腕を外野フェンスの突起に引っかけて、17針を縫う裂傷を負った。大出血とともに、裂けた皮膚からは骨も見えた。「救急車の中で、頭の中は真っ白でした」と野原。今季絶望の4文字も頭に浮かんだ。
医師からは10日間の安静を命じられたが、「本当に動かないのではなく、我慢すれば動く。これだけで欠場するなら、上でやっていけない」と10日の信濃戦で強行出場を決意。医療用テープを巻いた上に、腕全体を覆うリストバンドで補強。
動くたびに血はにじんだが、痛み止めの薬を飲んで出場し続けた。

15日には抜糸し、調子も上向きだ。現在は打率4割1分5厘、44打点、11本塁打で3冠。内角の厳しいコースを攻められ、のけぞって避けることもしばしば。12死球を受けるなど、生傷も絶えないが、逃げる気はまったくない。「最初の目標だった10本は達成できたので、次は20本を目指したい」。リーグ最強打者が、さらなる本塁打の量産を誓った。

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とやま・いしかわ報知
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