草島 諭〜鋭い振りで広角に打ち分ける安打製造機
鋭い振りから広角に打球が打ち返される。はじき返された白球は、面白いように安打ゾーンに飛んでゆく。
「草島の打撃はいい。首位打者争いに加わると思っているんだよ」鈴木康友監督(47)も太鼓判を押す打力で大暴れする。
芳野中時代には高岡リトルシニアでプレー。日本代表にも選ばれた。高岡第一高でも一日1000スイングをして得意の打撃に磨きをかけた。
才能は富山国際大で開花。1年の秋からクリーンアップを打ち、同大の北陸大学リーグの優勝に貢献した。その後も不動の3番打者として3季連続の準優勝に貢献。安打製造機として打ちまくった。だが3年秋のリーグ戦途中に部活動の方向性の違いから退部。
野球をする場所。そして人生の目的すらも失い始めていた。
転機は急に訪れた。
北信越BCリーグの設立が発表され、生まれ故郷にプロ野球ができることになった。
「自分が卒業する年に、地元に野球チームができる。まだ野球をやりたい」ほとんど体を動かしてなかったが、ぶっつけ本番でトライアウトに挑み合格した。
3月のチーム始動後から、常に笑顔だ。
「約1年半、野球をしていなかったですから。毎日野球ができて充実しています」17日の石川戦でも4回に適時二塁打を放ち存在感を見せつけた。
「最低打率3割5分。首位打者を目指したい」
苦難の時を乗り越えて、地元で花を咲かす。