大士〜強打の富山健在
関西キャンプ中のBCリーグ・富山サンダーバーズが25日、大阪・堺浜球場で、NOMOベースボールクラブと今季初のオープン戦を行った。0―7と大量リードを許した7回、大士(22)の中前2点二塁打など4連打で4得点を奪うと、8回にも3得点。驚異的な粘りで同点に追いついた富山。9回サヨナラ負けこそ喫したものの、打撃陣は11安打7得点。4月19日のリーグ開幕に向け、「打の富山」が順調な調整ぶりをアピールした。
〈7回4連打4点 8回3連打3点 大士2安打2打点〉
結果はサヨナラ負けも満足感があった。ベンチから引き揚げてきた富山ナインが、どこか充実した表情を見せる。「0―7だったら、何もない試合。同点にできたことは大きいよ」と鈴木康友監督(48)。08年初陣こそ飾れなかったが、指揮官の口調は厳しいものではなかった。
6回までは強豪クラブチーム相手に防戦一方。“らしさ”を見せたのは、7点を追う7回からだった。無死一塁から、新加入の山内匠二、藤岡直也の連続安打で無死満塁。大士が中前二塁打で2点を返した。さらに、四球を挟んで、塚本雄一郎の左前適時打で4連打。草島諭の左犠飛で、一気に4点を奪った。
8回にも3連打に相手の失策を絡めて、3得点。敗色濃厚なゲームを、いったん振り出しに戻した。2安打2打点の大士は「打者陣は順調に仕上がっている」と納得の笑み。白星にこそ結びつかなかったが、昨年、チーム打撃成績で他を圧倒した“強打の富山”を初戦から見せつけた。
宮地克彦プレーイングコーチ、昨季打点王の井野口祐介の主力2人が抜け、攻撃力も落ちたかに思われた。さらに優士、愛媛から新加入の伊東大輔が故障で出遅れ、3月から実戦的な打撃練習をしたのは2回だけ。それでも、この日、11安打で7点を奪った。
「迫力がないように見えるけど、今年はつなぎがある」と鈴木監督。合同練習初日の1日から、指揮官は打撃陣に“つなぎ野球”を強調。その言葉が実を結んだ形だ。
リーグ開幕まで、あと25日。オープン戦も残り6試合組まれている。「勝てなかったけど、悲観はしてない。まだ、調整段階だから」と鈴木監督。今年も打って打って打ちまくる―。指揮官の言葉に確かな自信が漂った。