〈育成1巡目指名あいさつ〉
プロ野球のドラフトで、阪神から育成1巡目で指名を受けた富山サンダーバーズの野原祐也外野手(23)が7日、立山球場で指名あいさつを受けた。阪神からは池之上格スカウト課長が出席。現在、リーグ戦中から体重3キロ増で85キロの野原だが、来年1月の新人合同自主トレの前に「ベストな状態に持っていきたい」と“ダイエット”に取り組み、戦える体を作ることを誓った。
〈指揮官から苦言〉
デッドボールよりも“痛かった”。指名あいさつ前の立山球場。ティー打撃で汗を流していた野原に、富山・鈴木康友監督(49)がポツリと言った。「だんだん顔が丸くなってきたな。朝青龍みたいになってきたぞ」2年間お世話になった指揮官の言葉に“おかわり君”は苦笑いするしかなかった。
富山での最後の試合となった香川戦から10日後。野原の体は確実に大きくなっていた。82試合に及ぶ戦いを終え、現在は優勝祝勝会などが続く生活。「嫌いな物はない。食材はすべて好き」という野原は、連日のように食べまくり、リーグ戦期間中のベスト体重82、83キロから、この日までに85キロとなっていた。「オフはいつも体重が増える」と話すが、今年3月には90キロになったこともあり、今季の開幕直後、打率は低空飛行。太りやすい体質が、50メートル走5秒9の快足の足かせになったことは間違いない。
〈体質改善に着手〉
同じ失敗は繰り返さない。そのカギを握るのが昨年、富山入りする前に購入した料理本だ。これまでトイレで見る程度だったが、これからは「活用していきたい」。鶏肉中心のカロリーの少ない食事に制限して、今月中旬からは西武のG・G・佐藤外野手(30)と合同練習。1月の新人合同自主トレの前に、完全に体を絞り上げるつもりだ。
6日には、阪神の大ファンとして知られるタレント・松村邦洋から激励の花束が贈られ、池之上スカウト課長からは「外野の一角に食い込めるよう、気持ちの強さを前面に出して欲しい」と期待された。新入団選手発表は12月中旬に行われる。「まずはけがをしない丈夫な体を作りたい」と野原。甲子園でプレーするためのダイエット生活で、富山の最強打者は最高の戦闘態勢を作り上げる。